研究室

疾患薬理制御科学(有吉 範高) [研究者の方向け]

主な研究テーマ

研究室スタッフとメンバー増加に伴いテーマは拡大予定ですが、現状は以下のとおりです

慢性的経過をたどる生活習慣病ならびにアンメット・メディカルニーズが高い急性疾患の予防方法に関するエビデンスの構築
1. 血糖異常の是正に寄与する一般・健康食品ならびに運動等の有効性に関する臨床研究
2. 感冒の発症予防方法に関する検証的臨床研究

薬物治療の個別適正化に関するエビデンスの構築
1. PCI施行患者における遺伝子情報を用いた抗血小板薬適正使用に関する臨床研究 

研究の概要

 医療現場では様々な疾患に対して治療ガイドラインが作成され、標準治療(現時点において最もエビデンス=科学的根拠のある最善の治療)が行われますが、治療に対する応答性は個体間で異なるため、その応答性の“個体差”に基づいた個別化医療(personalized medicine, 最近よく使用されるprecision medicineもほぼ同義)が同時に必要です。2016年までは医療現場において、薬物応答性の遺伝的な個体差を見極め、それに応じた薬物の個別適正化使用に関する臨床研究を行ってきました。
 薬物治療の個別適正化については、今後もニーズに応じて継続する予定ですが、基礎研究現場に戻ってきましたので、これからは臨床研究の対象者を患者に限定せず、研究成果を社会に還元するために、地域の健常者の方や、発症はしていないものの検査値に異常がある(疾患予備軍の)方にまで拡大して疾患の予防にも積極的に取り組みたいと考えています。
 今後、薬剤師が地域医療において地域住民の健康維持・増進に貢献していくためには、国や地方自治体、健康食品メーカー等の企業から与えられる情報に頼るという受け身の姿勢ではなく、薬学研究者として自ら有効性を見極めていかない限り、地域住民に自信をもって勧めることもできません。したがってエビデンスを作り、情報を発信するような研究を計画中です。

最近の成果 

 2016年8月に新設された研究室です。2016年12月にはじめての学生が配属となり、2017年4月に助教が着任するため、当研究室での研究とその成果はこれからです。
 下記は、前任地である千葉大学医学部附属病院で行ってきた(現在も一部継続中)診療科(循環器内科、冠動脈疾患治療部、乳腺甲状腺外科など)との共同研究による薬物治療の個別適正化に関する研究論文の例です。

最近の主な発表論文

  1. Nishi T, Ariyoshi N, Nakayama T, Fujimoto Y, Sugimoto K, Wakabayashi S, Hanaoka H, Kobayashi Y. Impact of Chronic Kidney Disease on Platelet Inhibition of Clopidogrel and Prasugrel in Japanese Patients. J. Cardiol. (2016) Aug 23. pii: S0914-5087(16)30171-X. doi: 10.1016/j.jjcc.2016.07.017. [Epub ahead of print]
  2. Nishi T, Ariyoshi N, Nakayama T, Fujimoto Y, Sugimoto K, Takahara M, Wakabayashi S, Koshizaka M, Hanaoka H, Kobayashi Y. Increased Platelet Inhibition After Switching From Maintenance Clopidogrel to Prasugrel in Japanese Patients With Stable Coronary Artery Disease. Circ J. 79, 2439-2444 (2015)
  3. Matsumoto J, Ariyoshi N, Sakakibara M, Nakanishi T, Okubo Y, Shiina N, Fujisaki K, Nagashima T, Nakatani Y, Tamai I, Yamada H, Takeda H, Ishii I. Organic anion transporting polypeptide 2B1 expression correlates with uptake of estrone-3-sulfate and cell proliferation in estrogen receptor-positive breast cancer cells. Drug Metab Pharmacokinet, 30, 133-141 (2015)
  4. Miura G, Ariyoshi N, Sato Y, Yamaguchi H, Iwata Y, Fujimoto Y, Kobayshi Y, Ishii I. Genetic and non-genetic factors responsible for antiplatelet effects of clopidogrel in Japanese patients undergoing coronary stent implantation: an algorithm to predict on-clopidogrel platelet reactivity. Thromb Res. 134, 877-883 (2014)

教員紹介

顔写真
有吉 範高
Noritaka ARIYOSHI
専門分野 個別化医療、薬理遺伝学
所属学会 日本薬学会、日本医療薬学会、日本薬物動態学会、日本臨床薬理学会、国際個別化医療学会

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