こんなことを研究しています

私たちは、植物などの生物資源を生薬や漢方薬として古くから利用していますが、それだけではなく、多くの西洋薬も植物や菌類などの生物が生産する天然の有機化合物(天然物)をもとに開発されたものです。
例えば、植物由来の医薬品として鎮痛薬のモルヒネ(ケシ由来)や鎮咳薬のエフェドリン(マオウ由来)などが、菌類由来の医薬品として抗菌薬のペニシリン(青カビ由来)、脂質異常症治療薬のロバスタチン(カビ由来)、抗結核薬のストレプトマイシン(放線菌由来)、抗がん薬のドキソルビシン(放線菌由来)などが例として挙げられます。また、最近では海綿動物やホヤといった海洋生物から発見された天然物からも、新たな医薬品が続々と開発されています。
私たちの研究室では、植物や菌類に加えて、海洋生物(海綿動物など)や微細藻類(渦鞭毛藻など)など、さまざまな生物資源から、がん、認知症、感染症などの予防や治療に役立つ新たな医薬品のもととなる有用な生物活性をもつ天然物(生物活性天然物)を見つけ出し、その化学構造を明らかにする研究を行なっています。
また、生物のゲノムに保存されている天然物の設計図(生合成遺伝子)を解読して、生物が天然物をつくる仕組み(生合成機構)を明らかにし、それを医薬品開発に役立てる研究にも取り組んでいます。

教員紹介

  • 久保田 高明/Takaaki KUBOTA
    専門分野:天然物化学
  • 谷口 抄子/Shoko TANIGUCHI
    専門分野:薬用植物学、生薬学

受験生、在学生にひとこと

岡山県は、北部に中国山地が連なり、中部に吉備高原、南部に岡山平野が広がり、南は瀬戸内海に面しています。こうした多様な自然環境に恵まれた岡山県は、地質・地形や気候の環境も多様なことから、多種多様な生物が豊富に生息しており、さまざま生物資源を材料とした研究を行うには絶好の場所です。
岡山大学薬学部で、自然界に潜む未知の財宝(薬のもと)を探し求めるというロマンあふれるテーマに、みなさんも一緒に取り組んでみませんか? そして、まだ誰も見たことのない未知の生物活性天然物を、世界で初めて手にする感動の瞬間を共に分かち合いましょう!

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天然物化学
研究者の方向けのページ[本サイト内]

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