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岡山大学薬学部/岡山大学大学院医歯薬学総合研究科

TEL. 086-252-1111

〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号
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研究内容RESEARCH CONTENT

研究テーマ   

局所薬物動態の解析・制御と薬物療法の最適化を支援する機能性製剤の開発
1. 薬物の局所動態評価研究
(a) 微小透析法(microdialysis)を応用した局所薬物動態モニタと局所薬物利用率評価
(b) 筋肉内での薬物の拡散・滞留特性の速度論モデルの構築
(c) 薬物の局所拡散・滞留特性に影響を与える因子の解析と制御
2. 薬物療法の最適化を支援する機能性製剤の開発に関する基礎研究
(d) 新規被覆型含水ゲル基剤の設計
・皮膚湿潤保持療法への応用
・新機能型外用被覆剤への応用
(e) 血漿−腹膜透析液中の薬物移行動態の解析と薬物投与経路としての評価
・腹膜透析時の薬物の体内動態特性の速度論的解析
・腹腔内を投与部位とする新規製剤の設計
3. 動物用医薬品製剤の新規剤形に関する基礎研究


研究概要

 薬物療法を個々の患者ニーズに合わせた精度の高い科学的な薬物療法として実践するためには,DDS(Drug Delivery System)医薬品など,体内における薬物の時間的・空間的な制御を可能にする特殊な機能を有する医薬品の開発(ハード面)と,個々の病態に対応する個別化された投与計画の立案(ソフト面)が必要となります。製剤設計評価学分野では,薬物濃度の時間変化を研究手法の主軸においた研究(薬物動態研究)と薬物動態をより適切かつ精密に制御する製剤の開発に関する基礎研究を行っています。
 DDS医薬品開発では,薬効に直結する作用部位局所における遊離形薬物の動態評価とその解析は必須となりますが,現状では,血漿中濃度など全身動態を基準にした評価で開発がなされています。製剤設計評価学分野では,微小透析法(microdialysis法)を応用し,局所送達型製剤(経皮吸収型医薬品や埋め込み型放出制御製剤)を適用した時の薬物の局所動態のモニタリングを行い,薬効に直結する局所での非結合形薬物濃度の経時的な評価と薬物の局所滞留特性の支配因子について研究しています。また,褥瘡や火傷など,皮膚組織の壊死による広範囲に及ぶ表皮の欠損に対する新規外用基剤として,浸出液を管理する湿潤保持療法にも対応する「被覆型含水ゲルシート」の開発も手がけています。さらに,薬物の有効性と安全性の向上や適用特性に優れる製剤の開発について研究を進めています。


最近の成果

1.筋肉内に定速投与された薬物の筋肉内での側方への拡散動態を,微小透析法(microdialysis法)を応用することにより,薬効に直結する局所での非結合形薬物濃度の経時的な変化としてモニタすることに成功しました。

2.薬物投与部位局所を冷却することにより,筋肉内に定速投与された薬物の筋肉内での局所非結合形薬物濃度が有意に増大し,局所冷却が薬物の全身への移行(副作用発現につながる)を低減する上で有用であることを明らかにしました。

3.高度腎機能障害時の腹膜透析施行による薬物の血漿中濃度および腹膜透析液中濃度の経時的な変化(薬物動態)を表出する薬物速度論モデルを構築し,このモデルに別途測定した個体ごとの薬物の蛋白結合率を補正因子として組込むことにより個体ごとの薬物動態を精度よく予測することに成功しました。

4.新規被覆型含水ゲル基剤の調整し,市販のドレッシング材よりも水物保持特性および水蒸気透過特性が優れていること,付着力が極めて低い(損傷皮膚から剥離しやすい)ことなど,この水ゲル基剤の製剤特性を明らかにしました。

5. 動物用医薬品の製剤設計において問題となる主薬の味の製剤学的な改変について,研究成果を発表しました。

製剤設計評価学

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