光で硫酸イオンを運ぶタンパク質を世界で初めて発見

生体物理化学分野の仁保亜紀子さん(薬学科5年生)、栗原眞理恵さん(博士前期課程1年生)、須藤雄気教授らの研究グループは、「SyHR」と命名した藍藻の細胞膜に存在するタンパク質の機能が、「光で硫酸イオンを運ぶ」というこれまでの常識を覆す全く新しいものであることを世界で初めて見出しました。また、様々な物理化学的解析から、硫酸イオンの結合や輸送のメカニズムを明らかにしました。これらの研究成果は、2017年3月29日に米国化学会誌『Journal of the American Chemical Society』で発表されました。
  本研究成果により、藍藻が光エネルギーを使って、二価かつ大型のイオンである硫酸イオンの細胞内濃度を制御していることが明らかとなりました。今後は、SyHRを他の生物種に導入し、細胞内外の硫酸イオン濃度を光により人為的に制御することで、未だ未解明の生体における硫酸イオンの役割の解明や光操作につなげていきたいと考えています。また、SyHRが示す可逆的かつ高い硫酸イオン親和性は、環境中における硫酸イオン濃度の測定技術の開発につながるものと期待されます。

雑誌名:Journal of the American Chemical Society 139, 4376-4389 (2017)
題 名:Demonstration of a light-driven SO42- transporter and its spectroscopic characteristics
著 者:Akiko Niho, Susumu Yoshizawa, Takashi Tsukamoto, Marie Kurihara, Shinya Tahara, Yu Nakajima, Misao Mizuno, Hikaru Kuramochi, Tahei Tahara, Yasuhisa Mizutani, & *Yuki Sudo

(掲載日 2017年3月30日)
(お問い合わせ:生体物理化学分野 須藤 雄気)

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