岡山大学インド感染症共同研究センター
「新興・再興感染症」とは?

化学療法剤、ワクチンの導入や衛生環境の改善により、感染症による死亡率は改善されましたが、1980年代には人々の生活を脅かす感染症が再び現れ始めます。これらの感染症を「新興感染症」「再興感染症」と呼びます。
新興感染症
1970年以降に新たに認識された感染症(新型インフルエンザ、病原性鳥インフルエンザ、SARS(重症急性呼吸器症候群)、後天性免疫不全症候群(HIV)など)
再興感染症
かつて存在した感染症で、ほとんど問題とならないようになっていたが、近年再び増加してきた感染症(マラリア、結核、コレラなど)
「感染症研究国際ネットワーク推進プログラム」とは?

国内外で生じる新興・再興感染症に対して迅速に対応するため、国内及び国外に研究拠点を形成して感染症研究を行い、形成される国際ネットワークをもって感染症対策を図る。
また、これら感染症研究を通じて、感染症研究分野の人材育成を行う。
岡山大学ではインド国に感染症研究拠点を設置するプログラムが採択され、平成19年度に当センターが設置されました。現在(平成22年2月)、海外には8カ国に12の研究拠点が設置され、国内の8大学がそれぞれの海外拠点の責任機関となり、運営されています。
コルカタ市とNICED

コルカタ市はインド東部に位置し、国際空港やコルカタ港を有する経済の中心地です。コルカタ市とその周辺には人口1,500万人が住み、世界でも有数の人口過密都市です。コルカタ地方はガンジス川のデルタ地帯に位置し、亜熱帯気候です。高温多湿で低地部ではたびたび水害を受け、衛生状態は必ずしも良いとは言えません。そのため、感染症もしばしば発生しており、特に下痢患者は多発しています。この地域はコレラの流行地域であり、1992年にNICED研究者および竹田美文教授らにより新種のコレラ流行株が初めて発見されました。
NICEDは日本政府、JICAによる技術協力プロジェクトにより供与された充実した施設、研究機材が備わっており、当センターの研究者はこれら充実した実験機器を使用することを許可され、共同実験室で研究を行っています。
今後の展開
両国研究者間での共同研究の拡充

「感染症研究国際ネットワーク推進プログラム」で設立された当センターの研究対象はインド全土で発生する可能性のある感染症です。しかし、限られたインド常駐スタッフでは多くの感染症をカバーすることは不可能です。そこで、当センターではインド研究者と日本研究者(日本在住)とで共同研究を行うことで、インド感染症研究の拡充を図ります。
感染症研究者の人材育成を目指した教育プランの実施
感染症対策の人材育成には感染症の実態を知ることが大切です。今日の日本では、新興・再興感染症の患者に接する機会は極めて稀ですが、NICEDに隣接して西ベンガル州感染症病院があり、多種多様な感染症治療が行われています。そこで、この充実した環境を感染症研究者および医療人育成に有効に利用した教育プランも展開していきたいと考えています。




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