研究の概要:「救急災害薬学分野」が担う学問領域

「救急災害薬学」は、薬学の専門知識を基礎に、救急・集中治療、災害医療や医療過疎における緊急な薬物治療、医薬品情報の提供や支援、医薬品や医療用物品の供給、患者や住民の健康管理などの医療教育や研究を主宰する臨床系の学術分野です。
その範囲は、薬学に留まらず、救急や災害対応に際してのコミュニケーションに不可欠な情報・通信を扱う「工学」などを含む『自然科学』、医療行為や対応業務に関する法令や政策・制度の礎である「法学」や、医療組織や業務の円滑な運営を裏付ける「経済学・経営学」を含む『社会科学』など、広範な学問領域を網羅します。
「救急災害薬学分野」の開設は、岡山大学が国内初となります。

    主な研究テーマ

    「救急災害薬学」の確立と発展を目標とし、臨床薬学から社会薬学に至る「救急薬学領域」、薬学系以外の学問領域も視野に入れた「災害薬学領域」、薬剤師活動の円滑実施と品質向上に資する「臨床ICT薬学」の3つの領域を基本に、幅広く研究活動を展開しています。

    1】救急薬学領域
    1-1】救急・集中治療領域における漢方治療の薬学的検証の研究
    1-2】熱中症への薬学的関与に関する研究

    2】災害薬学領域
    2-1】災害時医療資源情報共有システム運用に資する研究
    2-2】災害時処方の解析と必要医薬品の算出に関する研究

    3】臨床ICT薬学領域
    3-1】広域災害における薬剤師活動に須要な無線通信の統合的提供、および医療ICTの円滑運用に関する研究
    3-2】被災地、医療過疎地等での薬剤師活動を遠隔支援する「タスクシフト/タスクシェア」に関する研究
    3-3】海上での安全・安心な就労を見守る「オンライン健康支援基盤」の創出に関わる研究
    3-4】「XR:仮想現実技術」を活用した災害地での薬剤師活動習得に関わる研究

    ※また、当研究室(救急災害薬学分野)では,企業・研究機関・自治体などとの共同研究や受託研究などを実施しており、産・官・学連携(共創)に積極的に取り組んでいます。

    教員紹介

    • 名倉 弘哲/Hironori NAKURA
      専門分野:救急薬学、災害薬学、薬物代謝学、医療薬学
      所属学会:日本在宅薬学会(理事)、日本災害医学会(災害薬事委員会 委員)、日本集中治療医学会(集中治療薬剤委員会 委員)、日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本薬学会、日本医療薬学会、日本社会薬学会、日本褥瘡学会、日本薬学教育学会、日本老年薬学会、日本在宅救急医学会
      所属組織:岡山県病院薬剤師会、岡山県薬剤師会、岡山市薬剤師会

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