活動報告

文部科学省特別経費プログラム「難治性感染症を標的とした創薬研究教育推進事業」平成25年度成果報告会

平成26年2月15日(土)に本学薬学部で平成25年度成果報告会を開催した。今年度の進捗状況について12人の班員により報告がなされた。

日時 平成26年2月15日(土)13時〜17時
場所 岡山大学薬学部大講義室

1, 抗原虫班

本班では、(1)マラリア原虫の特定のタンパク質を標的とした阻害剤の探索研究、(2)創薬の標的研究を目的としたマラリア原虫膜タンパク質バンクの構築、(3)マラリア原虫に対して阻害効果を有する化合物の薬効評価について研究が実施された。今年度は、原虫のみならず吸虫(マンソン住血吸虫)に阻害活性を示す化合物についても研究の進捗状況が紹介された。また、マラリア原虫の薬剤耐性に関わる膜タンパク質を大腸菌で発現・精製し、その生化学的な特徴が明らかにされたという成果が報告された。

2, 抗耐性菌薬班

本班では、(1)抗菌活性をもつ化合物の創製および天然物の単離、(2)病原性を抑制する化合物のスクリーニング、(3)臨床応用に向けた取り組みに関しての成果報告がなされた。抗菌活性をもつ化合物の創製および天然物の単離については、有望なシーズに関しての作用機構の解明についての報告があった。また病原細菌が持つ溶血活性を阻害する物質に関しての成果としては、今年度特許申請をすることができたことが報告された。さらにリアルタイムイメージングを用いた感染症モデルの確立についての進捗状況が説明された。今年度から始まった新たな取り組みとして、救急・集中治療領域における漢方処方の使用状況に関する報告があった。

3, 抗C型肝炎班

本班では、強い抗HCV活性を示す化合物から、新たに化合物ライブラリーを構築し、班員が独自に確立した評価系において評価している。今年度は、新たに創製された化合物についての活性評価の結果や、抗HCV活性の分子機構を明らかにするための試みについて報告された。一部の成果についてはすでに国内特許出願は行われているが、今年度、JSTによる外国出願の支援対象に採択された。

4, 個別研究

4名の班員により、下記の個別研究の成果が報告された。
(1)歯周病関連微生物の感染診断法の開発
(2)難治性サイトメガロウイルス感染症に向けての抗原エピトープの同定
(3)市中感染型MRSA皮膚感染症におけるPVLの伝播様式と治療戦略
(4)炎症関連分子を標的とした分子イメージングプローブの創薬

来年度については、これまでの研究をまとめていただく方向で研究を推進して欲しいとの要望が運営委員から出された。


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