こんなことを研究しています

環境微生物の中には,ヒトに感染して病気を起こすものが存在します。微生物による病気を治療する, あるいは予防するためには,“微生物のこと”,“病気のこと”を十分に知る必要があります。 私たちは微生物,中でも“細菌のこと”を知るための研究を行っています。 病気を起こす細菌の多くは,2つの生活圏つまり「環境」と「ヒト」の間を行き来しています。 そして,それぞれの生活圏に順応するため,周囲の変化を正しく感知して,新しい生活様式を確立するための 集団行動を開始します。例えば,ヒトの体温は年間を通して36℃程度に保たれていますが, 環境の温度(水温など)は,季節によって大きく変動します。またヒトの消化管には,胃酸や胆汁酸など, 細菌にとって生存の危機となる物質が存在します。私たちは,細菌が周囲の温度変化などを感知する仕組み, そして,感知した後に集団行動を開始する仕組みについて研究しています。これらの仕組みが明らかになれば, 病気を起こす細菌の新しい排除方法が見つかります。



有害な化学物質による環境汚染を修復する方法,しかも環境に優しい修復の方法として,化学物質を分解する 微生物を用いた方法が知られています。私たちは,家庭用洗剤などに含まれる化学物質を分解する有益菌を環境水や 土壌などから単離し,環境汚染問題の解決に応用する研究を進めています。