血圧高めの方への臨床研究開始しました

新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、昨年は春から対面式の講義が出来ず、慌ててメディア授業の準備をしてなんとか1年間、感染学生を出すこともなく第3波を乗り越えたところですが、変異型ウイルスの出現によって地域によってはまた新たな感染の波が来そうな勢いです。打撃を受けたのは教育活動だけでなく研究活動も同じです。昨年1年間はブログを更新する気力も失せ(研究室旅行や懇親会も一切出来ず、集合写真すら取れませんから新たな研究室メンバーを迎えてもHPには名前しか掲載できない、という有様でした)、臨床研究を主たる研究方針としている当研究室の中でも、特に健常者や未病の方にご協力いただいている食後高血糖の抑制に関する介入研究は、殆んど進まないという状況が続きました。

 一方で、高血糖と並んで血管を傷つけ、脳心血管疾患の最大のリスク要因とも言われている高血圧についても、高血圧と診断される前から介入を行って長期にわたり高血圧症に移行させないで現状を維持する、あわよくば、正常血圧(上が120 mmHg未満かつ下が80 mmHg未満、家庭血圧では上が115 mmHg未満かつ下が75 mmHg未満)に引き戻すことができないか、との思いがあり、研究計画書の作成には長期間を要しましたが、ようやく2020年11月に研究倫理審査委員会の承認を頂くことができました。承認後もコロナ禍のため、研究にご参加いただける方を探し出すのには苦労していますが、そんな中でもご快諾いただける方もいらっしゃって、なんとかスタートすることができました。

 当研究室の食後高血糖の抑制に関する介入研究も、血圧高めの方に血圧抑制に関する介入研究も、殆んど家庭で行って頂けるものですので、血糖や血圧が気になる方で糖尿病や高血圧症と診断されてない方は、食事を中心とした生活習慣を見直す機会に使って頂けたら、と思っています。

2021年03月30日