VGLUTとVNUTVesuclar Glutamate Transporter (VGLUT)
and Vesicular Nucleotide Transporter (VNUT)

SLC17ファミリー

SLC17 family
サービス名

  SLC17ファミリーは9つのメンバーからなり、いずれも膜電位を駆動力として負電荷を持つ基質を輸送するトランスポーターファミリーです。これらのうち、SLC17A5(VEAT)、SLC17A6-8(VGLUT)、SLC17A9(VNUT)はシナプス小胞に存在して小胞型神経伝達物質トランスポーターとして働いています。一方、残りのSLC17A1-4(NPT)は細胞膜に存在し、負電荷を持つ薬物を輸送する薬物排出トランスポーターとして機能しています。

(参考文献)  

       *Omote, H., Miyaji, T., Hiasa, M., Juge, N., *Moriyama, Y. (2016) Structure, function, and drug interactions of neurotransmitter transporters in the post-genome era. Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 56, 385-402.

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小胞型グルタミン酸トランスポーター(VGLUT)

Vesicular GLutamate Transporter

  グルタミン酸は中枢神経系で働く主要な興奮性の神経伝達物質で、VGLUT(Vesicular Glutamate Transporter)はシナプス小胞にグルタミン酸を蓄積するトランスポーターです。VGLUTは12回膜貫通型のトランスポーターで、小胞の内側が正の膜電位を駆動力として負電荷を持つグルタミン酸を輸送します。もともとVGLUTはNa+/リン酸共輸送体として単離されましたが、局在や輸送機能解析から小胞型のグルタミン酸トランスポーターであることがわかってきたものです。私たちはVGLUTの大量発現、精製、再構成系を用いて輸送機能を解析し、このトランスポーターが膜電位を駆動力として、Cl-で活性化されることを明らかにしました。また、変異導入解析からSLC17ファミリーに保存されたArg184残基がグルタミン酸輸送に必須であることを見出しました。
  興味深いことにVGLUTはグルタミン酸輸送活性の他にNa+勾配を利用したリン酸輸送活性を持っており、この活性は基質、Cl-要求性、駆動力、必須残基、阻害剤のいずれもグルタミン酸輸送活性とは異なっていました。このことはVGLUTがまったく機能の異なる二つの輸送マシンナリーを一つの分子内に持つとても面白いトランスポーターであることを示しています。
  私たちは変異導入などの生化学的な解析でVGLUTの分子メカニズムを明らかにしようとしています。

(参考文献)

    Juge, N., Yoshida, Y., Yatsushiro, S., *Omote, H., Moriyama, Y. (2006) Vesicular glutamate transporter contains two independent transport machineries.  J.Biol.Chem. 281, 39499-39506.

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小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)

Vesicular Nucleotide Transporter

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