研究テーマResearch Projects

小胞型神経伝達物質トランスポーター、グルコーストランスポーターや薬物排出トランスポーターの生理学、生化学的研究を行っています。特に新規トランスポーターの同定、生理的な役割の解析、輸送機構の解明などに重点をおいています。

小胞型ポリアミントランスポーター

-- Vesicular Polyamine Transporter (VPAT) --
サービス名

  ポリアミンは2個以上のアミノ基を持つ脂肪族分子で、細胞の増殖やDNAやRNAの安定化、タンパク質合成の促進、炎症や酸化ストレスの抑制など多岐にわたる生理活性を持つ物質です。これらの働きからポリアミンは生物の生存に必須な分子として知られています。また、ポリアミンは神経細胞やアストロサイトから分泌され、NMDA受容体を経由する神経化学伝達を制御する因子として作用しています。私たちは神経細胞やアストロサイトの分泌小胞にポリアミンを輸送・蓄積する小胞型ポリアミントランスポーター(VPAT)を発見し、その輸送機構や生理的な意義について解析を進めています。

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小胞型グルタミン酸トランスポーターと
      ヌクレオチドトランスポーター

-- Vesicular Glutamate Transporter (VGLUT) / Vesicular Nucleotide Transporter (VNUT) --
サービス名

  化学伝達では神経終末に存在するシナプス小胞に蓄積された神経伝達物質が細胞外へ放出されることで情報を伝えています。小胞型グルタミン酸トランスポーター(VGLUT)と小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)はグルタミン酸やATPをシナプス小胞などに運び込むトランスポーターで、それぞれグルタミン酸作動性とプリン作動性の化学伝達に必須な役割を果たしています。VGLUTとVNUTはSLC17型トランスポーターファミリーに属していて、このファミリーには小胞型興奮性アミノ酸トランスポーター(VEAT)やアニオン性薬物排出トランスポーター(NPT)があります。
  私たちはこれらのトランスポーターの輸送メカニズムや生理機能をリポソーム再構成系や組織化学的手法を用いて解析を進めています。

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グルコーストランスポーター(GLUT)

-- Glucose Transporter (GLUT) --
サービス名

  グルコーストランスポーター(GLUT)は細胞膜にあって、細胞内へのグルコース輸送や細胞外へのグルコース分泌を担う重要なトランスポーターです。
  GLUTの機能は教科書的に知られた細胞内外のグルコース輸送だけではありません。私たちはこれらのトランスポーターの新しい生理機能の解明を目指しています。

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薬物排出トランスポーター

-- Drug Transpoter --
サービス名

  薬物排出トランスポーターは生体内に侵入してくる薬物を体外へ排出するトランスポーターで、薬物の体内動態をコントロールすることから、医学薬学上とても重要なタンパク質です。また、がん細胞やバクテリアの薬物耐性にも深く関わっていることが知られています。また、薬物排出トランスポーターは多様な物質を基質として認識することができることから、基質認識と輸送のメカニズムも注目されています。
  私たちは薬物排出トランスポーターの中でもMATEやNPT、PfCRTなどをターゲットとして、その輸送メカニズムや生理機能の解明を目指しています。

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