【沿革】
岡山大学薬学部は1969 年に医学部薬学科として発足しました。1976 年5 月に医学部から独立し二学科(薬学科・製薬化学科)からなる薬学部が誕生しました。当研究室は、1977年に薬品物理化学研究室として発足し、藤田 勇三郎 教授(〜1991 年度)、玉懸 敬悦 教授(〜2005年度)、勝 孝 教授(〜2013年度)がご担当されてきました。2014年度からは、須藤 雄気が担当させて頂いております。
■ 光が支える創薬研究
輝く朝日で目を覚まし、道に咲く草花にみとれながら学校や職場に向かい、帰り道で見える夕日に明日への希望を感じ、夜空に打ち上がる花火の美しさに感動する。これらに共通する『光』は、私たちにとってなくてはならないものの一つです。
わたくしたち生体物理化学研究室では、『光をくすりにする!?』をキャッチコピーに、生物が持つ光を吸収する分子(ロドプシン)の研究を行っています。光を使ってあらゆる病気が治せる未来を目指しています。
地球上に降り注ぐ太陽光の極大波長は約500 nmです。この波長を有名なエネルギー量子仮説(プランク)の式:「E = hν」にあてはめると、光のエネルギー(E)は、約240 kJ/molとなります。次に、生命活動の源であるATPの細胞内における加水分解エネルギーを考えると、そのエネルギー(E)は、約50 kJ/molとなります。このように、光エネルギーはATPのエネルギーより5倍程度の大きな値です。私たちの研究室では、光によってあらゆる生命現象を制御・操作可能である=「光がくすりになる!?」、と信じ、光受容タンパク質・ロドプシンを対象に、生物学・物理学・化学を融合した@探索、A解析、B応用に関する研究を行っています。。
【研究課題や研究費などに関する情報は、以下をご参照下さい】
https://research-er.jp/ranking/researcher/budget/institution:1548
■ 電気が支える創薬研究
脳は、神経細胞とグリア細胞からできています。
神経細胞間での「電気信号」のやりとりが、脳が働くのに重要です。
この電気信号は、「細胞膜」に存在するチャネル・シナプス分子から発生します。
我々は、「スライスパッチクランプ法」という手法を用いて
単一の神経細胞から電気信号を記録し、脳の働きを調べています。
脳疾患に伴う神経活動異常の検出
脳は、我々の思考や行動を支配している臓器です。
精神疾患や運動障害など、脳神経の機能異常が原因であることが多々あます。
我々は、正常な脳の働きを調べるだけでなく、
脳機能に異常がある疾患モデル動物(マウス)を用いることにより、
「電気信号の異常」という側面から、脳疾患にアプローチしています。