研究室

合成薬品製造学(竹内 靖雄、西岡 弘美)[研究者の方向け]

主な研究テーマ

創薬を指向した分子設計と医薬品合成のための精密合成化学およびプロセス化学反応の開発と、合成化合物と生理活性との相関に関する研究教育を行う。

  1. 新しい反応と合成法の開発に関する基礎的研究
  2. 天然物の合成に関する研究
  3. 化学構造と生理活性との相関研究

研究の概要

(-)-Actinoninは、放線菌Streptomyces sp.の培養液から単離精製された抗生物質である。本化合物の抗菌作用は、ペプチド脱ホルミル化酵素 (peptide deformylase、以下、PDFと略記) を阻害することで発現していることが明らかとなり、現在では代表的なPDF阻害化合物として知られている。また (-)-actinoninは、抗マラリア試験の結果、熱帯熱マラリアに対して、既存薬には劣るものの、活性があることが判明した。さらに、(-)-actinoninが抗腫瘍活性を有することが報告されており、その作用メカニズムに、ヒトのPDFが関与していることが示唆されている。以上のことを踏まえ、(-)-actinoninは、PDF阻害という新たな作用メカニズムを有する化合物としてだけでなく、多種多様な生理活性を示すことから、非常に魅力的な化合物として注目されている。

Acinetobactinは、1994年、 Acinetobactor baumauniiから単離・精製されたシデロフォアである。自然界に広く分布するAcinetobactor属の細菌は、日和見感染症を誘起し、特に近年では、院内感染を蔓延させる原因菌であることが知られている。

クマリン類は、植物界に広く存在し、その生物活性も多岐に渡っている。最近、3’, 4’-di-(-)-camphanoyl-(+)-cis-khellactone (以下、DCK と略す) は、代表的な抗HIV-1作用薬AZT (逆転写酵素阻害薬) よりも高い抗HIV活性を示すことが見出されている。

本研究室では、これらの化合物のより効率的かつ経済的な合成法を確立すること、さらにその合成法を利用し、より活性の高い化合物を合成すること、またそれらの構造と活性を相関させ、より医薬品となる可能性が高い化合物を設計・合成することを目的として、研究を進めている。

 index

最近の主な発表論文

  1. Synthesis of (-)-Actinonin, Inoue S., Nishioka H., Abe H., Harayama T., Takeuchi Y., Synthesis, (11), 1705-1710 (2011).
  2. Synthesis and Anti-human Immunodeficiency Virus Activity of the Skeleton Isomers of 3′,4′-Di-(O)-(−)-camphanoyl-(+)-khellactone, Nishioka H., Uesugi K., Ueda N., Kondo Y., Tsuji M., Abe H., Harayama T., Hamasaki T., Baba M., Takeuchi Y., Chem. Pharm. Bull., 59(8), 1075-1076 (2011).
  3. Synthesis of Zanthoxyline and Related Compounds: Revisin of the Reprted Structure, Abe H., Kobayashi M., Y., Takeuchi T. Harayama., Heterocycles, 80(2), 873-877 (2010).
  4. Novel indoline-based acyl-CoA: cholesterol acyltransferase inhibitor: Effects of introducing a methanesulfonamide group on physicochemical properties and biological activities, Shoji Y., Takahashi K., Ohta M., Kasai M., Kunishiro K., Kanda M., Yogai S., Takeuchi Y., Shirahase H., Bioorganic & Medicinal Chemistry, 17(16), 6020-6031 (2009).
  5. Preparation of 5H,7H-Dibenz[c,e]oxepin-5-one Derivative through Reconstruction of the Lactone Ring, Abe H., Arai M., Takeuchi Y., Harayama .T., Heterocycles, 77, 1416-1416 (2009).
  6. Synthesis of Highly Oxygenated Biphenyl Derivative in an Optically Active Form through Palladium-Mediated Intramolecular Biaryl Coupling Reaction, Abe H., Arai M., Nishioka K., Kida T., Shioe K., Takeuchi Y., Harayama T., Heterocycles, 76, 291-303 (2008).

教員紹介

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竹内 靖雄
Yasuo Takeuchi
専門分野 合成薬品製造学
所属学会 日本薬学会、日本化学会、有機合成化学協会
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西岡 弘美
Hiromi Nishioka
専門分野 合成薬品製造学
所属学会 日本薬学会、有機合成化学協会、日本プロセス化学会

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