平成26年6月18日 教授会

国民の支援のもと研究教育活動を実施する高等教育機関においては、構成員が研究倫理を遵守することはもとより、所属する学生、大学院生に対して適切な指導を行うことが求められる。研究不正は科学者に対する社会からの信頼を毀損し、将来の科学研究の発展を阻害するものであり、研究者自身の不断の努力により高い倫理意識を維持することが望まれている。研究者として完成されていない大学院生や若手研究者が所属する大学において、指導者である教員の責任は極めて重いものであることを自覚しなければならない。

1.捏造、改ざん、剽窃の禁止

捏造(実験的な裏付けのないデータの作成)、改ざん(データの部分的な変更、恣意的な選択、矛盾した結果の無視、実験手法や機器の恣意的な操作)、剽窃(適切な引用元を示さない形での利用、他人の成果・アイデア・図等の盗用)はいずれも代表的な研究不正であり、こうした不正行為が起こらないよう透明性の高い研究活動を行わなければならない。

2.恣意的な解釈の禁止

実験回数や再現性についてのごまかし、実際に行われた実験と異なる説明、写真等の印象操作等、恣意的な解釈に基づく研究を進めてはいけない。

3.公表結果の重複の禁止

データの使い回し、重投稿等はいずれも責任著者の瑕疵であり、研究成果の厳正な管理が求められる。

4.必要な審査や申請手続きの遵守

研究倫理委員会、動物実験、放射性同位元素実験、組換えDNA実験等に関連する申請、審査については必要な手続きを遵守しなければいけない。

5.実験記録の管理・保管

生データ(フィルム、チャート等)、データを記載した実験ノート、実験試料(組換え体、組織標本等)など論文作成に用いたものは破棄してはいけない。適切な管理は指導者である教員の義務である。

6.オーサーシップに対する適切な理解

研究に実質的に参加していないものが著者に加わることは研究業績の水増しであり、共著者は発表論文に対して応分の責任をもつことを認識しなければいけない。

7.不正行為の隠蔽の禁止

研究不正に関する告発がある場合は、これに適切に対応し、必要な調査を実施しなければいけない。また、研究不正を見つけたものはこれを告発する責務がある。

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