レチノイドX受容体(RXR)を標的とする分子の新しい探索法を開発

2021.05.17

合成医薬品開発学分野の加来田博貴准教授、瀧奥真歩さん(2019年薬学科卒)、高村祐太さん(博士後期課程2年)、静岡県立大学食品蛋白質工学研究室の中野祥吾准教授らの共同研究グループは、レチノイドX受容体(RXR)に結合する分子の新たな探索法を開発しました。
RXRに結合し活性化する分子は抗炎症作用を示し、ステロイド系抗炎症薬に代わることが期待されています。加来田准教授らのグループでは、これまでにもRXRに結合する分子の探索法を見出して来ました。しかしながら、これまでに用いられていた放射性物質を利用した方法との相関性が課題になっていました。放射性物質を扱う方法は、放射線に関する法規制に加え、それを行うための施設が必要となります。加来田准教授らのグループは、蛍光を発するRXR結合性の分子を作り、蛍光偏光法と呼ばれる物理現象を利用し、市販の装置を用いることで行える新しい探索法を生み出しました。今回見出した方法は、放射線を利用した手法と極めて高い相関性を示し、RXR結合性分子の新たな探索法として有用です。
本研究成果は、2021年5月7日付でアメリカ化学会誌ACS Medicinal Chemistry Lettersに掲載されました。

本研究は岡山工学振興会、東京生化学研究会、小林財団、尚志社奨学金の助成を受けて、静岡県立大学との共同研究にて行われたものです。

雑誌名:ACS Medicinal Chemistry Letters (2021).
リンク:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsmedchemlett.1c00201
題 名:Creation of Fluorescent RXR Antagonists Based on CBTF-EE and Application to a Fluorescence Polarization Binding Assay
著 者:Maho Takioku#, Yuta Takamura#, Michiko Fujihara, Masaki Watanabe, Shoya Yamada, Mayu Kawasaki, Sohei Ito, Shogo Nakano, Hiroki Kakuta (# equally contributed)

(掲載日:2021年5月17日)
(お問い合わせ:合成医薬品開発学分野 加来田 博貴)

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