第19回小動物インビボイメージング研究会で博士前期課程1年生の田邉萌香さん(生体機能分析学)が優秀発表賞を受賞しました。

2024.10.15

優秀発表賞賞状

 令和6年9月7日に「第19回小動物インビボイメージング研究会」が東京理科大学にて開催されました。博士前期課程1年生の田邉萌香さん(生体機能分析学)が口頭発表を行い、優秀発表賞を受賞しました。

発表演題:
 ペプチドトランスポーター1標的Phe-Phe(2-¹²³I)の開発:腫瘍・炎症集積の18F-FDGとの比較

発表者:
 田邉萌香¹、森本みゆき²、田中智博¹、明日卓¹、佐々木崇了¹、能勢直子¹、樋口隆弘¹’³、上田真史¹
 ¹岡山大院医歯薬、²岡山大薬、³ヴュルツブルグ大学

研究内容:
 18F-FDGは、腫瘍診断用放射性医薬品として臨床画像診断で汎用されていますが、炎症組織にも腫瘍と同程度に集積することが問題となっています。この問題を解決するために、本研究では、炎症組織では発現が低い一方、腫瘍では発現の高いペプチドトランスポーター1を標的とした放射性分子プローブの開発を目的としました。
 フェニルアラニンを2つ結合させたジペプチドに放射性ヨウ素を導入したPhe-Phe(2-¹²³I)は、ペプチドトランスポーター1に高い親和性を示し、腫瘍にも高く集積しました。小動物インビボイメージング装置を用いて炎症組織と腫瘍の画像化を検討したところ、¹⁸F-FDGでは、炎症組織と腫瘍が同程度に描出されましたが、Phe-Phe(2-¹²³I)では、炎症組織への放射能集積は認めず、腫瘍のみが明瞭に描出されました。
 この結果から、Phe-Phe(2-¹²³I)が腫瘍と炎症の鑑別診断に有用である可能性が示されました。

(お問い合わせ:生体機能分析学分野 上田真史)

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