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薬学科6年生の谷岡勇輝さんが日本光生物学協会ポスター賞を受賞(第24回日本光生物学協会年会)
2024.08.09
令和6年8月6日~ 7日に第24回日本光生物学協会年会が京都市で開催されました。薬学科6年生の谷岡勇輝さん(生物物理化学分野)がポスター発表を行い、ポスター賞を受賞しました。
発表演題:
線形動物由来オプシン類の機能解析
発表者:
谷岡勇輝¹、佐藤恵太²、西村陽介³、吉澤晋⁴、山下高廣⁵、大内淑代²、須藤雄気²、小島慧一²
(¹岡山大・薬、²岡山大・学術研究院医歯薬、³海洋研究開発機構・生命理工学センター、⁴東京大・大気海洋研、⁵京都大・院理)
研究内容:
私たちヒトを含む動物の多くは外界からの光情報を利用し、視覚や概日リズムの調節といった生理機能に役立てています。体内で光を受容する役割を担うのがオプシンと呼ばれる光受容タンパク質です。これまで、動物の光利用の分子基盤を理解するために、幅広い動物種を対象としてオプシンの探索と機能の解析が進められてきました。その一方で、土壌や海洋中、または動物や植物に寄生する線形動物(線虫)においては、オプシンの存在が報告されておらず、線形動物の光利用メカニズムの理解の妨げとなっていました。本研究では、様々な種の線形動物の遺伝子情報を調べたところ、オプシン遺伝子を持つ種が存在することが明らかになりました。これらのオプシンの性質を調べたところ、青色の光をよく吸収し、それにより機能を発揮することが分かりました。さらに、昆虫感染性線虫の一種が、青色の光に対して忌避行動を示すことも確認されました。このことから、線形動物はオプシンを利用して周囲の光環境を把握し、自身の行動決定に役立てていることが示唆されました。この成果は、動物と光の関係性の一端を明らかにするものとして評価されました。
参考URL:http://photon.umin.jp/photobio/prize.html
(お問い合わせ:生物物理化学分野 小島慧一)