博士前期課程2年生の長田祐也さんが学生優秀発表賞を受賞(日本レチノイド研究会 第34回 学術集会)

2023.09.27

 令和598 – 9日に「日本レチノイド研究会 第34回 学術集会」が岡山大学において開催されました。博士前期課程2年生の長田祐也さん(生物物理化学分野)が口頭発表を行い、学生優秀発表賞を受賞しました。

学生優秀発表賞を受賞した長田裕也さん
学生優秀発表賞を受賞した長田祐也さん

発表演題:
 Characterization of light-sensitive retinoid proteins from a deep-sea hydrothermal vent shrimp
 深海エビRimicaris hybisaeが持つ光感受性レチノイドタンパク質の分子機能解析

発表者:
 長田 祐也¹,宮本 教生²,佐藤 恵太³,山中悠嗣⁴,西村 陽介⁶,吉澤 晋⁶,高井 研²,大内 淑代³,山下 高廣⁷,須藤 雄気³,小島 慧一³
 ¹ 岡山大・院医歯薬(薬学系),²  海洋研究開発機構 超先鋭研究開発部門,³ 岡山大・学術研究院医歯薬,
 ⁴ 岡山大・薬,⁵ 海洋研究開発機構 生命理工学センター,⁶ 東京大・大気海洋研,⁷ 京都大・院理

研究内容:
 ヒトを含む動物の多くは外界からの光情報を利用し、視覚や概日リズムの調節といった生理機能に役立ています。体の中で光を受容する役割を担うのがオプシンと呼ばれる光受容タンパク質です。ツノナシオハラエビ類の一種であるRimicaris hybisaeは、深海数千メートルの熱水噴出孔近傍に生息していますが、そこには太陽光は全く届きません。その一方で、熱水の黒体放射に由来する微弱な可視光が存在することが知られており、深海エビR. hybisaeはそのわずかな光を感知していると考えられていました。本研究では、深海エビR. hybisaeが持つオプシンの性質を調べたところ、全てのオプシン分子が可視光をよく吸収することで、機能を発揮することが分かりました。このことから、深海エビR. hybisaeは、熱水噴出孔近傍に存在する微弱な可視光の感知に適したタイプのオプシン分子を持つことが分かり、深海でも光情報を自身の生活に役立てている可能性が示唆されました。

お問い合わせ:生物物理化学分野 小島 慧一

TOP