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第53回構造活性相関シンポジウムで博士前期課程2年生の寺内瞳さん(生物有機化学分野)が優秀発表賞を受賞しました
2025.12.19
令和7年9月4日~ 5日に第53回構造活性相関シンポジウムが大阪府東大阪市で開催されました。博士前期課程2年生の寺内瞳さん(生物有機化学分野)がポスター発表を行い、優秀発表賞を受賞しました。
発表演題:
STINGの構造対称性に基づく新規阻害剤の設計と構造展開
発表者:
寺内瞳1,2、戸板太陽3、小沼剛3、原英樹4、辻厳一郎2、石田祥一3、浴本亨3、池口満徳3、寺山慧3、出水庸介1, 2, 3
(1岡山大院医歯薬、2国立衛研、3横浜市大院生命医科、4旭川医大)
研究内容:
STINGは細胞内DNAを検知して自然免疫を誘導する一方、過剰に働くとSAVIなどの重篤な自己免疫疾患の原因となることが知られており、その制御は医薬品開発における重要課題となっています。本研究では、既知阻害剤の結合様式を模倣して、2分子が同一ポケットに対称的に結合するような化合物のin silicoスクリーニングを実施しました。その結果、候補化合物の中から細胞アッセイで明確な阻害作用を示す化合物を同定しました。本化合物は、STING経路依存的なインターフェロンb産生を抑制することに加え、HTRF法によってSTINGタンパク質への直接結合も示唆されました。現在、本化合物をリードとして類縁体についても合成、評価を進めており、さらなる活性向上に向けた構造最適化を継続しています。本成果は、難治性炎症性疾患に対する新たな低分子治療薬開発につながる可能性があります。
なお、本研究は共同研究者の皆様のご協力のもと実施されたものであり、ここに深く感謝申し上げます。
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| 表彰された博士前期課程2年生の寺内瞳さんと優秀発表賞賞状 | ||

