第60回日本生物物理学会年会 学生発表賞受賞

2022.10.04

令和4年9月29日に第60回日本生物物理学会年会がハイブリット形式(オンサイト(函館)+オンラインZOOM)で開催されました。博士前期課程2年生川西志歩さん(生物物理化学分野)がオンサイトでのポスター発表(英語)を行い、学生発表賞を受賞しました。本賞は、日本生物物理学会年会において、優秀な発表を行った学生会員を表彰するもので、応募者の2〜3割程度に授与されるものです。

発表演題:
Long-term membrane voltage imaging by microbial rhodopsin AR3 with LED light source
発表者:
Shiho Kawanishi1*, Keiichi Kojima2, Atsushi Shibukawa1, Masayuki Sakamoto3, Yuki Sudo2
1Grad. Sch., Med. Dent. & Pharm. Sci., Okayama Univ.
2Med, Dent & Pharm Sci, Inst of Acad. & Res., Okayama Univ.
3Grad. Sch., Biostudies, Kyoto Univ.

研究内容:
生体を構成する最小単位である細胞では、その内外に電位差(膜電位)が存在し、その維持と変化により脳神経活動をはじめとした多様な生命機能が実現しています。この膜電位を測定するためのセンサーとして、光受容タンパク質であるアーキロドプシン3(AR3)が用いられています。ただし、AR3は低応答性であり、高強度のレーザーが励起光として用いられているため、長時間の測定では細胞への障害や毒性がおこります。そのため、従来はミリ秒以下の早い膜電位変化に特化した利用にとどまっていました。本研究では、顕微鏡システムおよび解析手法の工夫により、低強度のLEDを用いた膜電位測定システムの構築と、それを利用した膜電位の長時間(数十分程度)イメージングに成功しました。この成果は、長い時間軸での膜電位の可視化及び定量評価を可能にするものとして評価されました。

(お問い合わせ:生物物理化学分野 須藤雄気)

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