第66回日本薬学会 関東支部大会 優秀口頭発表賞受賞

2022.10.31

第66回日本薬学会関東支部大会(令和4年9月17日)において、博士前期課程1年の大澤陽さん(連携大学院 生物有機化学分野)
が優秀口頭発表賞受賞を受賞しました。

発表演題:E3リガンドに着目したH-PGDS分解誘導剤の構造活性相関研究

発表者:大澤 陽1,2、黒原 崇2、柴田 識人2、有竹 浩介3、内藤 幹彦4、出水 庸介1,2,5
1. 岡山大院医歯薬 2. 国立衛研 3. 第一薬大 4. 東大院薬 5. 横市大院生

研究内容:
疾患の原因となるタンパク質の「機能を抑制する阻害剤」とは異なり、タンパク質そのものを「分解してノックダウンさせる分解誘導剤」が近年注目を集めています。PROTACと呼ばれるキメラ分子はその代表例であり、当研究室はH-PGDS(造血器型プロスタグランジンD合成酵素)をターゲットとした、強力なH-PGDS分解活性を持つPROTAC (H-PGDS)-7の開発に成功しています。CRBNリガンドであるポマリドミドとH-PGDSリガンドであるTFC-007誘導体を直接連結させた本分子は、構造活性相関研究が不十分でした。そこで本研究では、分解活性向上や代謝安定性向上を目的として、近年報告されている新規のCRBNリガンドを本分子に組み込み、各種合成と評価を行いました。結果として、CRBNリガンドをフェニルグルタルイミドに置き換えたPROTACとフルオロサリドマイドに置き換えたPROTACが高いH-PGDS分解活性を示し、その効果はPROTAC (H-PGDS)-7と同程度であることがわかりました。今後は、膜透過性評価などの物性評価を行い、優れた分子の創成に努めていきたいと思います。

お問い合わせ先
出水 庸介(Yosuke DEMIZU)

                                                                                                                                                    

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