亜鉛トランスポーターZIP9がB細胞のシグナル伝達に関与することを発見

2013.03.08

医薬品機能分析学分野の榎本秀一教授、谷口将済博士後期課程大学院生(理化学研究所分子イメージング科学研究センター•大学院生リサーチアソシエイト)、理化学研究所分子イメージング科学研究センターの廣村信副チームリーダーと、京都大学大学院生命科学研究科の神戸大朋准教授らとの共同研究成果が、PLOS ONE誌に掲載されました。

Taniguchi M, Fukunaka A, Hagihara M, Watanabe K, Kamino S, Kambe T, Enomoto S, Hiromura M. PLOS ONE, 2013

Essential role of the zinc transporter ZIP9/SLC39A9 in regulating the activations of Akt and Erk in B-cell receptor signaling pathway in DT40 cells.

亜鉛は生命活動には欠かせないミネラルの1つです。中でも、免疫機能をつかさどるB細胞が正常に機能するためには、亜鉛が重要であることが示唆されていましたが、その詳細な機能については不明なままでした。この研究では、ゴルジ体の膜に局在する亜鉛トランスポーターZIP9の遺伝子欠損によりゴルジ体内で亜鉛が蓄積することを発見し、ZIP9が細胞外からの刺激に応じて、ゴルジ体から細胞質へ亜鉛を放出し、抗体産生に関わるB細胞受容体(BCR)のシグナル伝達を活性化する重要なタンパク質であることを見いだしました。これらの成果は、これまで栄養素として認識されていた亜鉛が、「シグナル因子」として機能していることの証明にも繋がりました。

1)理化学研究所プレスリリース

2)日経バイオテクONLINE

3)日刊工業新聞

4)神戸新聞

5)神戸ニュース

 

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