TRPチャネル機能制御領域の立体構造を解明

2013.04.26

構造生物薬学分野の山下敦子教授、伊原誠特任助教(現近畿大学講師)と東北大学・名古屋大学・首都大学東京・東京電機大学の共同研究グループは、生体内で外界からの刺激の受容や細胞内情報伝達に重要な役割を果たしているTRPチャネルが多様な刺激に応答できる仕組みの一端を解明しました。この成果はJournal of Biological Chemistry誌に近く掲載される予定です。

Makoto Ihara, Shin Hamamoto, Yohei Miyanoiri, Mitsuhiro Takeda, Masatsune Kainosho, Isamu Yabe, Nobuyuki Uozumi, and Atsuko Yamashita. “Molecular bases of multimodal regulation of a fungal transient receptor potential (TRP) channel”. J. Biol. Chem., 2013, in press. doi:10.1074/jbc.M112.434795

ヒトの生体内には27種類のTRPチャネルが存在し、温度や浸透圧変化など外界からの刺激の受容、痛みの受容、味覚・嗅覚をはじめとしたさまざまな感覚受容におけるシグナル伝達などに重要な役割を果たしています。このTRPチャネルは、1つ(1種類)の受容体でも温度や化学物質など様々な刺激に対して応答しますが、同じ受容体がどのようにして異なる複数の刺激に対して応答できるのかについてはわかっていませんでした。研究グループは、生物学研究でモデル生物としても利用されているカビの一種G. zeaeから、多様な刺激に応答できるプロトタイプTRPチャネル “TRPGz” を発見し、そのチャネル機能の制御領域の構造を解明して、TRPGzがさまざまな刺激に応答できる仕組みを明らかにしました。

理化学研究所プレスリリース:http://www.riken.go.jp/pr/press/2013/20130423_1/

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