タンパク質とミネラルの挙動を同時にイメージング

2013.05.08

医薬品機能分析学分野の榎本秀一教授、猪田敬弘博士後期課程大学院生(理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター•大学院生リサーチアソシエイト)、理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センターの本村信治 副チームリーダーとの共同研究成果が、Journal of Analytical Atomic Spectrometry誌に掲載されました。

Shinji Motomura, Youske Kanayama, Makoto Hiromura, Tomonori Fukuchi, Takahiro Ida, Hiromitsu Haba, Yasuyoshi Watanabe, and Shuichi Enomoto.

“Improved imaging performance of semiconductor Compton camera GREI makes for a new methodology to integrate bio-metal analysis and molecular imaging technology in living organisms”.

体内に微量に存在する必須金属元素には、必須栄養素として働くものが知られており、シグナル伝達や特定の分子が担う機能に重要な役割を果たしている一方、ミネラル欠乏や細胞のがん化など生体に何らか異常があると、これら金属元素とタンパク質などの関連分子に同時に変化が現れると考えられます。今回、複数種の放射性薬剤を同時に可視化する半導体コンプトンカメラ「GREI(グレイ)」を改良した「GREI-Ⅱ」を開発し、生体内のタンパク質とミネラル(必須金属元素)の振る舞いを体の外から高い解像度で同時に観察することに成功しました。本成果により、さまざまなタンパク質とミネラルの挙動を同時に観察できるようになったことで、これまで解明されていなかった疾患の原因に迫る新たな切り口を得ることが期待されます。

 1)理化学研究所プレスリリース

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