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腫瘍組織に分布するCTLA-4の画像化に成功
2014.11.13
医薬品機能分析学分野の榎本秀一教授、上田真史准教授、東川桂大学院生(博士後期課程)と理化学研究所次世代分子イメージング研究チームの共同研究成果がPLoS ONE誌に掲載されました。
Higashikawa K, Yagi K, Watanabe K, Kamino S, Ueda M, Hiromura M, Enomoto S.
64Cu-DOTA-Anti-CTLA-4 mAb Enabled PET Visualization of CTLA-4 on the T-Cell Infiltrating Tumor Tissues.
PLOS ONE, 2014, doi: 10.1371/journal.pone.0109866.
CTLA-4は、抗腫瘍免疫応答を抑制する因子として知られており、抗がん剤の標的分子として近年注目されています。しかし、現在開発されているCTLA-4阻害剤 (抗CTLA-4抗体医薬) は、腸炎や皮膚炎などの自己免疫性疾患を生じやすいという問題もあります。
そこで、研究グループは、陽電子放出断層撮影法 (PET) プローブ「64Cu-DOTA-抗CTLA-4抗体」を開発し、これを用いて腫瘍中に存在するCTLA-4を非侵襲的に画像化できることを証明しました。今回の成果を臨床に応用し、ヒトの腫瘍中に存在するCTLA-4をPETで非侵襲的に画像
診断できるようになれば、患者の薬剤に対する適合性を事前に調べることにより、治療の成功率の向上や無用な投与による副作用の回避が期待できます。