ケトン食の謎を解明 新しいてんかん治療薬の開発が可能に

2015.04.30

生体物理化学分野の井上剛准教授、佐田渚大学院生らの研究グループは、既存の治療薬が効かないてんかん患者に効くケトン食療法の仕組みを解明しました。さらに、乳酸脱水素酵素を標的とし、スチリペントールの化学構造を改変することで、ケトン食療法に基づくてんかん治療薬が開発可能であることを示しました。

本研究成果は、2015年3月20日、アメリカの科学振興協会(AAAS)発行の『Science』に掲載されました。

ケトン食療法は、1920年代に開発されたにも関わらず、未だに薬が効かない難治性てんかんの治療法として使われています。しかし、それに代わる治療薬はありません。本研究により、100年近く開発に成功していない画期的治療薬の誕生が期待されます。

雑誌名:Science 347, 1362-1367, 2015
題 名:Targeting LDH enzymes with a stiripentol analog to treat epilepsy
著 者:Nagisa Sada, Suni Lee, Takashi Katsu, Takemi Otsuki, Tsuyoshi Inoue

プレスリリースの詳細はこちらをご覧ください

本研究成果は、以下でも紹介されています。
・Science (Perspective), Metabolic control of epilepsy
・Science Signaling (Editor’s Choice), Targeting metabolism to tackle seizures
・Nature Chemical Biology (Research Highlights), An epileptic target

(掲載日:2015年4月30日)
(お問い合わせ:生体物理化学分野 井上 剛)

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