高度先導的薬剤師の養成とそのグローカルな活躍を推進するアドバンスト教育研究プログラムの共同開発

平成27年度までの6年間にわたって「先導的薬剤師養成に向けた実践的アドバンスト教育プログラムの共同開発」(「先導的薬剤師養成プログラム」)事業が実施されました。これは、当時の14国立大学薬学部の連携の下、広範な職域において指導的立場で活躍できる先導的な薬剤師を養成する教育プログラムの開発を目指して行われたものです。この実績を基盤として、平成28年度から大阪大学を主幹校として、国立14・公立5の19大学の連携の下、「高度先導的薬剤師養成プログラム事業」が行われています。
この事業では、現在及び未来の医療のダイナミックな変化に柔軟に対応できる高度先導的薬剤師の養成と、そのグローカルな活躍(Globalな視点を持ち Localで行動・貢献できる)を推進するためのアドバンスト教育研究プログラム①から⑥の開発を目指しています。

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①「高度医療人キャリア形成教育研究推進プログラム」

学部生・大学院生を対象とし、将来、行政機関や教育・研究機関において医療行政、レギュラトリーサイエンスや医療系教育、最先端薬物治療の開発や創薬研究を主導する薬剤師の養成を目指す。

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②「国際医療薬学教育研究推進プログラム 」

学部生・大学院生のほか若手教員をも対象とし、海外連携医療機関での医療薬学や薬剤師業務などの研修・インターンシップなどを通じ、超域的な創造力を修得し、国際的視点の医療薬学、教育・研究を主導する薬剤師の養成を目指す。

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③「グローバル健康環境教育研究推進プログラム 」

学部生・大学院生のほか教員をも対象とし、海外研究機関と衛生薬学関連や感染症対策に関する共同研究や研修・インターンシップなどを通じ、国際的な創薬研究や医療の発展、保健衛生・公衆衛生の推進に指導的な立場で貢献できる薬剤師の養成を目指す。

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④「地域薬学人材養成教育拠点形成プログラム 」

⑤の「地域医療教育研究推進プログラム」を構築する大学を「地域薬学人材養成」拠点として、地域内の大学との連携・協働体制を構築し、これを基盤として大学及び医療関連機関との有機的な連携強化を図り、開発プログラムの普及と定着化を進める。

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⑤「地域医療教育研究推進プログラム 」

学部生・大学院生のほか卒業生など地域の薬剤師をも対象とした在宅医療や終末期医療に関する体験・研修や先進的な地域医療インターンシップ等を開発・実施することにより、社会のニーズに応える高度な地域医療を担うことができる高度先導的薬剤師の育成を目指す。

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これまでの取り組み「先導的薬剤師養成プログラム」

高齢化社会の進行や地域医療の崩壊が社会問題となる中で、国民の多様な健康へのニーズに的確に応え、医療現場での医薬品適正使用や、副作用の防止等だけでなく、新たな医薬品の開発の研究はもとより、感染症への的確な対応、食品や環境の安全の確保等をも含めて、国民の健康に対する多様なニーズに対応できる指導的な薬剤師の養成が重要となっており、これに対応できる教育システムや内容の開発、改善が求められている。このような中で、「先導的薬剤師養成に向けた実践的アドバンスト教育プログラムの共同開発」の事業(以下、「先導的薬剤師養成プログラム」)は、全14国立大学薬学部の連携のもとに、広範な職域において指導的な立場で活躍できる先導的な薬剤師を養成する教育プログラムの展開を実践的に進め、さらには薬学教育全体の改善に寄与しようとするものである。
http://www.phs.osaka-u.ac.jp/sendouteki/index.html

本年度は昨年度に引き続き、本学は東北大学、東京大学とともに、本事業の中で「長期課題研究及びアドバンスト教育プログラム」の実践的開発を担当することとしており、特に研究能力を有する薬剤師養成、および臨床と結びついた教育研究の推進の観点から、

  1. 講演会・キャリアパスワークショップの実施
  2. 論文や国際、国内学会における学生による研究発表等の促進
  3. 教育内容の整備
  4. 図書、教育機器等による教育環境の整備

等を、以下のように進めてきている。以下に、1 および 2 の実施について紹介する。

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  1. 7月14日に神戸市立医療センター中央市民病院薬剤部長の橋田 亨先生においでいただき、ご講演いただくとともに、学生の実務実習に基づくワークショップにご参加いただき、貴重なご意見をいただいた(写真)。また、10月14日には、医薬品医療機器総合機構の岡村敏行博士などお二人の先生をお招きし、行政の場で必要とされる研究能力等についてお話しいただいた。また、24年1月には、アステラス製薬の島崎 眞博士に、企業での経験等をもふまえたお話をいただく予定である。
  2. すでに本年度に薬学科6年次および5年次学生が共著者となっている計10篇の論文が専門誌に掲載または掲載確定となっており、また本年度78件の学会発表が薬学科学生の寄与のもとに実施され、そのうち学生本人による発表が44件となっている。
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